じわじわ怖いねー。ぞくぞく来るねー。わくわくするわー。

頼りになるお兄ちゃんのようなトーマは、記憶をなくして不安定な主人公の生活すべてを、それはもう全力で支えます。「トーマがいてよかった」とつぶやく主人公を見てても、どれだけトーマを頼りにしてるかわかりますよね。命も狙われてて不安な自分に、優しくしてくれる幼馴染。

けど、カメラさんは、この優しいお兄ちゃんを、疑念を持って映しだします。

ささいな表情の変化や、ちょっとした言葉の間。トーマの複雑な内面を感じさせる場面を、微妙に意味ありげに切り取るカメラさんの思惑に、見てる方は踊らされてしまうのです。『この男、なにかある、なにかあるぞー！』と好奇心をうずうずさせて、踊らされるのが楽しくて、もう。

トーマへの疑念は、じわじわとした不安。またもや修羅場の気配漂う女達は、突然膨れあがる恐怖。隠された内面のドロドロした感情は、そのまま人間らしさ。ワクワクするのは仕方ないね。

もちろん、ほっとした・・・というか、ときめいた場面もありました。添い寝。うん、添い寝好きだ。構図が好きだ。私にも乙女回路ちゃんとあったんだなぁ、とちょっとだけほっとしました。